堀切はちょい馴染みの町だ。初めてこの地に降り立ったのは「弁慶」という背脂系のラーメンを食べに来たのが始まり、30年ぐらい前かな。
久しぶりに来たらカレー専門店「アルー」の暖簾が黄色に変わっている、前からだったかな…。
それと「哈爾濱餃子」が休業中、オジちゃんかオバちゃんの具合でも悪いのかな。居酒屋だと焼きトンの「のんき」はたまに行く、この近所にあった居酒屋の名店「水トク」は、ご主人が他界して閉店したんだけど、店の前までいったら看板が下ろされていた。
「先週まで看板あったんだけどね」
と自転車で通りかかったオバちゃん。
「そうなんですか」
どうやら人が住めるように改装しているようだった。
ある日、この近所に住む友人から、
「光陽楼って中華屋がさ、カレー屋に変わったんだよ、一応小野に伝えておこうと思って」
と去年の話。で最近訪れることが出来た。
ビンテージモダンとでも言おうか、それぞれ姿形の違う洒落たテーブルやソファー、椅子がデコレートされている。
メニューは「スパイス定食」1200円、「チキンカレー」850円、「ポークビンダルー」900円、「あさりカレー」900円、「ハンバーグカレー」900円、「豆野菜カレー」150円とある。
「スパイス定食って、これミールスですかね」
「ええ、それ風です」
「う~ん、チキンカレーに豆野菜カレーつけて下さい」
「はい、かしこまりました。パクチー大丈夫ですか」
「大丈夫です」
左手下がチキンカレー、その上が豆野菜カレー。右手にパパドゥ、ライスの横にはキャベツのポリアル、豆のサブジー風かな、それと玉ねぎのアチャールとなっている。
「なんかこのカレー記憶にあるな…」
これ南インドカレーのようだ。ブラウンマスタードの浮かぶチキンを一口味わうと、微かにココナッツの風味、穏やかなスパイス感、軽やかな旨味、実に美味しい。
次に豆野菜カレーをいただくと、これラッサムやサンバル風のスープ状のカレーで、クミンの仄かな風味が心地よい。
パパドゥを粉々にしてライスにすべてのカレーをかけていただくと、混然となった旨味と風味が折り重なって食欲が加速する。このカレーは実にいいね。
後で調べてみたら森下にあった居酒屋「上亀」の日曜限定のカレー屋が、ここに移転してきたそうなのだ。この店は森下に住む友人から教えてもらった店で、一度だけ入ったことがあった。だから朧げな記憶があったのだ。
次は「ポークビンダルー」かな、いやいや、ハンバーグもアサリも気になる。また来なくちゃ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都葛飾区堀切5–5–5 電話03–6662–5576
【営業】11時30分~21時
【休日】月
【アクセス】京成線「堀切菖蒲園駅」から徒歩3分