元祖 カレー研究家 小野員裕

町屋「どじょっこ」のドジョウ、川魚料理

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「美味しいドジョウや川魚を食べさせる店を知りませんかね」

と、尋ねられることがよくあるが、そんな時は決まってこの店を勧めている。

京成線「町屋駅」から徒歩5分。または、都営荒川線「町屋駅前」からは徒歩3分。尾竹橋通りを荒川方向へ歩き、城北信用金庫の角を右折、さらにすぐのT字路を右折すると「どじょっこ」があらわれる。

初めて訪れたのはおよそ20年前のこと。この界隈に住む友人の紹介だった。

その時いただいたのが「まる鍋」、「さき鍋」、「柳川」で、その美味しさに癒され、合間にいただいた「コノワタ」の美味しさにも驚かされて、ついつい深酒をしてしまい、記憶をなくしてしまったのだ。

それから何回かお伺いしたが、どちらかというと友人に勧めることのほうが多く、30人ほどこの店を訪ねているのではないか。その誰もが、

「どじょっこ最高だね!」

と喜んでくるその姿を見て、僕も幸せな気分に浸ってしまうのだ。

お勧めは当然、まるのままのドジョウを煮た、いわゆる「まる鍋」だが、

「毎日入荷できるわけじゃないんですが、天然のナマズもいいですよ」

とご主人。そのお勧めの「ナマズのから揚げ」を塩梅のいいポン酢に浸して頬張れば、これが淡泊で上品な味わいなのだ。

またクセのない極めて新鮮な「クジラ刺し」も絶品。まずは何もつけずにクジラ本来の味を確かめてから。生姜またはニンニク醤油で堪能しよう。これもまた、お酒が進む逸品だ。

店内は細長い座卓が3卓、それぞれ9人ずつ座れる。銘酒「吉乃川」とともに、白提灯の下でどじょう鍋をつつけば、酒宴は必ず盛り上がる。ちなみに貸し切は20名以上から可能だそうだ。

※表の水槽から救った活きのいいナマズ。