元祖 カレー研究家 小野員裕

霞ヶ関「ニルワナム」日本人に迎合しない南インドの味

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昨今、北インドカレーに代わって、南インドカレーが巷を賑わしている。誰も彼もが「ベジミールス、ノンベジミールス」と騒ぎ立てているけど、そんな定食ばかりではなく、チェンナイ、マドラス、ゴア、ケララ、バンガロール、カリカット、コーチン、など多くの都市には独自のカレー料理がある。南インドはポルトガルの影響もあり、キリスト教徒のインド人が数多くいて、ヒンディー、ムスリムではご法度とされる豚や牛を食べる習慣もある。

本店は神谷町にあり、この虎ノ門店は今年の2月にオープンしたばかり。従業員も南の各都市から来ていて、オーナーはケララ出身の方。対応してくれたのは日本語が堪能なバ―ブさん。そんな南インドの各地域の名物カレーが供される専門店で、日本人の味覚に迎合しない、現地そのままの味わいで、どの料理も極めてクオリティーが高いのだ。

ご覧の「チキンハデラバディ」はアンドラ州のココナッツベースのカレーで、辛口で濃厚な旨味を表現しながらどこかサッパリとした味わい。

ケララ州のパン、ポロッタをつけて食べてもいいし、ジ―ラライス(クミンとパクチーのバスマティライス)をいただくとこれも旨い。その他、

「ウディン・ワダ」は豆の粉を練って油揚げた甘くないドーナツ風情。サクサクホクホクの食感、付け合わせのココナッツチャッネやサンバルに付けて食べよう。それと「ゴアフィッシュカレー」は円やかでスパイシー、これも文句なし。

昼時は「ランチビュッフェ」1200円で、日替わりの各種カレーがお腹いっぱい食べられる。およそ100種類のメニューがあり、是非ディナーも楽しんでもらいたい。