「ねえ小野さん、ダチョウ食べたことある?」
「かなり昔に食べた記憶があるけど、どんな味だったかな? 確か玉子焼はなんか淡白な味だったような…」
「池袋にさ、鹿児島にあるダチョウ農家の安藤さんが飼育している肉を卸してる店があるんだけど、食べに行こうよ」
と誘ってくれたのがタラちゃんこと本名は粉川タラ…なんとか。この変わった名前、ネパールのカトマンドゥ生まれだからだそうだ。純潔の日本人。飲み友だ。
「とりとんダイニング」は、池袋東口「南池袋公園」の裏手のひっそりとした路地の2階にある店だった。店内は縦長に広めで、正直閑散とした界隈だけど、サラリーマン、OLで賑わっているのには驚いた。
カウンターに2人、ボクは若作りしているけど57歳、タラちゃん28歳、違和感アリアリ。
まずは「ダチョウのレバ刺し」。表面には岩塩とごま油、ネットリと滑らか、まったくクセがなく非常に食べやすい。
次に「ダチョウのタタキ香味野菜ポン酢」。どこか牛肉に似た味わいながら、軽やかでやや淡白。
そして「ダチョウフィレ肉のグリル」。これ旨い! やっぱどこか牛肉に似てるね。またこのグレービーソースが抜群に美味。
※これ合間に食べた「ズワイガニのサラダ」
「どうダチョウ肉、いける?」
「うん美味しいね。これ牛肉と比べると卸値ってどうなの?」
「ちょっと高め、生産する農家が増えればそれなりになるんだろうけど、今はね…」
このダチョウを育てている鹿児島の安藤さんは、日本でトップクラスの規模でダチョウを育てている方らしい。またこの業界を牽引するパイオニアだとか。タラちゃんはそんな彼の仕事に惚れ込み、ここのダチョウ肉を専門に卸売する会社を立ち上げたそうだ。
「勝算あるのかよ」
「う~ん」
で彼女、資金集めのために「クラウドファンディング」を立ち上げ現在奔走中。下のURLがそのサイト。
https://camp-fire.jp/projects/view/29333
「頑張んなきゃ。いろんな店で扱ってくれればいいんだけど」
「う~ん。一般的には鶏や豚、牛肉で十分って感じたと思うけど、色々な部分で地球に優しい食材なんだろう?」
「そうなの。タラ、ダチョウ肉を全国に広めたいんだよね」
とのことだ。なんかそんな思い入れが上記のURL内で語っているので、興味のある人は覗いてください。
いずれにしてもダチョウ肉、偏見があったけど思ったよりも美味しいね。
〈店舗データ〉
【住所】東京都豊島区南池袋2–31–3東商ビル2階
【営業】17時~翌1時(L.O.24時)
【休日】不定休
【アクセス】JR・東武東上線・西武線池袋・地下鉄各線「池袋駅」東口から徒歩6分