「新大久保にあった『めとき』に似たラーメン屋が上北沢に出来たのよ」
「食べたの?」
「美味しかった。小野ちゃん行ってきたら」
と某居酒屋の常連のK氏。
上北沢はクルマでは通ったことがあるが、駅に降りるのは初めてだった。静かな住宅街、住んでいる人には申し訳ないが、ときめく店がないな~。
小さく短い商店街、甲州街道にぶつかる手前左手に「はな田」があった。
11時開店。1番乗りだった。券売機で「特製ラーメン」980円を購入。カウンターに座ると、
「小野さんですよね」
「あっ、はい小野です」
「アタシ東池袋の『エーラージ』で働いていたんです。小野さんが取材に来たのよく覚えてます」
「いや~そうなんですか」
「うちのダンナです。彼は東池袋の『大勝軒』で働いていて、そん時知り合ったんですよ」
世の中は狭いな~。
「新大久保の『めとき』に影響受けた店だって聞いてきたんですよ」
「いや~それ言われると緊張します」
彼は「めとき」に衝撃を受け、弟子入りを試みるが丁寧に断られたそうだ。
「似た味だったら永福町の『大勝軒』に頼んでみたら」
と主人言われたが、永福町「大勝軒」は従業員を募集していなかった。そこで東池袋の「大勝軒」に入店する。
「ラーメンの知識がなくて、同じ店名だから系列店だと思っていたら、まったく違う店なんで。ハハハ」
と店主の花田拡さん。でもその勘違いで奥さんと知り合えたのだからなによりだ。
※かつての「めとき」のご主人とラーメン。
「お客さんに「めとき」信者の方が多くて『これはめときじゃない!』って言われるんですけど、まったく同じもの出しても自分のラーメンじゃなくなるんで、変えてるんですよ」
その通りだね。似てはいててもオリジナリティーを出さなければ店を開いた意味がない。
そして待望のラーメンの登場。
なみなみのスープ、ナルト、三角海苔の姿は確かに「めとき」をホウフツ。ただ焼豚はバラ肉だ。スープを一口。
「これメチャ旨いですよ」
「よかった~」
仄かな煮干の風味、潔い醤油の切れ味の中に、薄らと感じる甘味とコク。
麺は中細の縮れ。これ中加水でややパツンとしてツルツル。バランスがお見事。久しぶりに美味しいラーメンに出合った。
確かに「めとき」を思い出させてくれるが、これは「はな田」のラーメンとして確立している。
「ごちそう様です。ホントに美味しかった」
「ありがとうございます」
〈店舗データ〉
【住所】東京都世田谷区上北沢4–16–10 電話03–6883–5754
【営業】11時~15時 18時~21時
【休日】月
【アクセス】京王線「上北沢駅」北口から徒歩3分
この記事を拝見して、なつかしの「めとき」直伝のお店とあれば行くしかない!と思っておりましたが、たまたま上京の機会がありましたので、早めに出て上北沢に直行しました(笑)大当たり!でございました。仰る通りバランスがよく、心配だった300gの大盛り麺もスルスルいけて、あれ、もう終わり?というくらいでした。永福町大勝軒などではいつも途中で食べ疲れ、食後に腹部膨満感に悩まされていましたが、こちらは全く大丈夫。その点も「めとき」と似てますね。開店当初はスープが薄いだ熱くないだと批判されたようですが、今のスープは超熱々(笑)いろいろ改良されたのでしょうね。店主御夫婦も感じがよく、落ち着ける店内で、大変良いお店でした。「もしかして「めとき」より美味しいかも」とお伝えすると店主さん嬉しそうでした。
いつもご覧いただいてありがとうございます。
上京した甲斐があって何よりです。