朝一で浦和に野暮用があり、1時間ほどで用を済ませた。国道17号をクルマでの帰り道、なにか面白い店はないものかと、蕨当たりの横道をあてもなく走る。
「ん、中華屋か…。どうみても普通だな、まっいいか」
と駐車場を探すが全く見当たらず、しかたなく裏道の工場の脇に駐車した。
「いらっしゃい」
店内は左手にカウンター6席、右手に4人席のテーブルが3卓。カップルの先客がいた。60ちょい過ぎの眼鏡をかけたご主人、どこか頑固そうな風情。
中華屋でのファーストチョイスはまず餃子、そしてラーメンだが、この日は焼豚麺が食いたかった。でもメニューになかったので「豚肉の細切りソバ」800円と「餃子」480円を注文。しばらくすると客がぞろぞろと入ってきて満杯になった。人気店のようだ。
厨房の様子を見ると極めて丁寧な仕事ぶり、たぶんどこか大きな中華料理屋で働いていたのだろうと思われる。
最初に登場したのが餃子。
「で、デカい!」
長さは10cm弱、銀座「天龍」、八重洲「泰興楼」よりは短いがメチャ幅がある。
箸で持ち上げるが落ちてしまいそうなほどの重量感、その美しい焼き目に食欲がそそられる。そして一口。
「旨い!」
皮はモチモチ、ややニラの香りが立ち、白菜と豚肉のバランスよく、ジュワっと肉汁があふれ出す。下味は薄めなので、酢醤油にしっかりつけた方が旨い。とにかくデカいので小皿にのせたままじゃないと食えない。
「豚肉の細切りソバ」はロース肉、タケノコ、シイタケなどがタップリ。
スープはやや薄めながら、具の餡にしっかり味が入っているので、食べ進むとちょうどいい塩梅に仕上がる。
ツルンとしたストレートの細麺はジャストの茹で加減。これもよく出来ている。
やはり中華屋は外見じゃ判断つかないなと、しみじみ思った。「牛肉ソバ」、「牛肉かけご飯」も気になる。ちょい遠いけど、すべてのメニューを食べつくしたい。
〈店舗データ〉
【住所】埼玉県蕨市錦町1–15–24 電話048–442–0305
【営業】11時30分~14時 17時~21時
【休日】火
【アクセス】JR埼京線「戸田駅」から徒歩10分 JR京浜東北線「蕨駅」西口から徒歩20分