大勝軒と名の付くラーメン屋や中華屋は、有名なところでは丸長系の大勝軒と永福町系の大勝軒とあるが、名前は一緒だが両社の続柄はまるで別物。一方、日本橋人形町系と呼ばれる大勝軒は一番歴史が古く都内に数店舗あるが、こちらも前述の大勝軒とはなんの関わりもない。
よく通っていたのが、三越前の大勝軒だったが、界隈の再開発と老朽化に伴い、今年の4月26日に閉店してしまった。美味しかったんだよね。
浅草橋の「大勝軒」は、前にバングラディシュ料理屋の「美味キッチン」に寄ったとき見つけた店で、課題になっていた。
どっしりとした外観、地元に長年愛され続けた風情がある。店内は4人テーブル6卓に2人テーブルが3卓と広めだ。
初めての中華屋では、ファーストチョイスはラーメンと餃子なのだが、今日は気分が違う。メニューを見ながら思案する。
「肉玉そばと焼売ください」
「は~い」
「しかし肉玉そばってなんだろうな…」
見かけたことのないスタイルのラーメンの登場。
「ほほ~これか…」
ラーメンの上に玉子で綴じた肉に白濁した餡掛けのスタイルだ。
まずはスープを一口。
「旨い!」
シャープな醤油の味わい、ほどよい旨味が後追いしてくる。
柔らかめながら、ちょいパツンとしたストレートの細麺の喉越しが心地よい。
肉玉は適度な歯触りで餡と醤油スープに絡んでジンワリと美味しい。
「これ頼んで良かった…」
しばらくして焼売の登場。一口頬張ると柔らかで、玉ねぎがちょい多めで肉は僅か。
「これも旨いな~」
浅草「来集軒」や荻窪「丸長」の焼売に似たタイプで、肉びっしり焼売と違い、つなぎが多め。基本この手の焼売は苦手なんだけど、これは違う。玉ねぎの自然な甘味とややシャッキした歯ごたえ、つなぎが少なめなので味わいが鮮明なのだ。また辛子醤油もピッタリだね。
またすぐに来なければ、とにかくここのメニューを片っ端から食いたい。
〈店舗データ〉
【住所】東京都台東区浅草橋2–28–10 電話03–3851–1952
【営業】11時~15時 17時~21時30分
【休日】日・祝
【アクセス】都営地下鉄浅草線「浅草橋駅」A4出口から徒歩2分 JR総武線「浅草橋駅」東口から徒歩3分。