新大久保駅から「東京グローブ座」へ繋がる横丁は、東南アジアや南アジアの人々がわんさかいて、ムスリム街かリトルチャンドニーチョークといったところ。雑貨兼スパイス屋も数多くあり、その一角にあるネパール人が経営するスパイス屋「カージャガル」がある。久しぶりの訪問だ。その店舗の中に食堂「ソルティカージャガル」が併設されていて、食堂の造りが若干変わっていた。
「食堂やってますか」
「イマコウジチュウダケド、ヤッテルヨ」
と店員さん。メニューを見ると昔なかった「ディド」が追加されていた。
「このディドセットお願いします」
「ハイヨ」
「ディド」とは蕎麦粉主体の雑穀を練った蕎麦がきのようなもの。ネパールの伝統的な料理で、最初に提供したのは巣鴨の「プルジャダイニング」かもしれない。
スパイス屋にはネパールの客がちらほら、この店は一種ネパール人たちのコミュニティの風情もある。
「ハイドウゾ」
10分ほどで「ソルティグロンデイドウセット」が到着。コックさんは昔と変わっていなかった。
手前中央がマトンカレー、計回りにチキンカレー、ムラコアチャール、リョウコサグ、カシューナッツチャトニ、アルコアチャール、パパドゥ、サラダ、ダールカレー。そして中央がディド(蕎麦がき)。
マトン、チキンともちょい濃い口な味付け。双方のカレーはインドカレーと比べると突出したスパイス感はなく穏やかで、ネパールのドメスティックな味わい。
ディドの中央にはギー(バターの上澄みのようなもの)。まずはねっとりとしたディドをちぎってこの油に浸して一口。そしてカレーにディドを浸して食う。これが素朴で旨い。
合間にダールカレーや、色々な副菜を楽しむ。
ディドは密度が濃くて、半分ほどでお腹いっぱいになってしまう。でも残さず食べた。
「ゴハンオカワリスル?」
「もうお腹いっぱいです」
食後はチャイ。
ネパールの人はご飯をよく食べる。むかし通っていた居酒屋の店員のネパール人の女性が、賄いで大盛りのライスをバクバク食べていた光景を思い出すな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都新宿区百人町2-9-15ライオンズマンション2階 電話03-6279-2159
【営業】11時~24時
【休日】無休
【アクセス】JR山手線「新大久保駅」から徒歩2分