ある夜、志村三丁目駅の改札で男4人待ち合わせ。
「この駅もそうだけど、この沿線は初めて降りるな」
と、ピアニストの冨樫春生さん。
「すいません遅れて。20分前に来てちょろっとパチンコやったら確変かかっちゃって、勝ちましたよ」
とボンボン社長。改札からもう1人、桜新町のライブレストラン「NEIGHBOR」のオーナー、小林浩之さんの登場。
「4人揃ったんで行きましょう」
「こんなところに中華屋あるんだな」
と冨樫さん。8分ほどで「栄楽」に到着。
「あら、お久しぶり」
と女将さん。客は我々4人だけだった。テーブルに座り、まずはビールで乾杯。
「これ食べて」
とご主人。いきなり登場したのが見たことのないメニュー。「焼豚の玉子あんかけ」かな。焼豚の下にレタス、これを焼豚で巻いて餡を絡めて食べると実に旨い。
「これ旨いな~」
そして白菜の浅漬けに大根キムチ。ビールが進む。
「餃子2皿ください」
しばらくすると客がぞろぞろと入ってきて満杯になった。
餃子は野菜と肉のバランスよく実に美味。途中ウーロンハイに切り替える。
「小野ちゃんこの店いいよ。よく見つけたね」
「この辺はサラリーマン時代、取引先があったもんで、よく来てた場所なんで」
「そうか。やっぱいろいろ遠出しなきゃダメだな。六本木、麻布なんて高いばかりでぜんぜんダメ」
するとまたもやご主人の創作料理「エビのフリッター」の登場。ソルトペッパーとケチャップをつけると酒が進む。
「これも旨いな~」
「あれ頼みましょうよ」
「トンカツか」
「そうそう」
自家製の粗目のパン粉で揚げた肉厚のトンカツ。これがカリっとシットリ、滑らか。
「おいおい、トンカツ屋よりはるかに旨いぜ」
「ですね。ビックリ」
と冨樫さんと小林さん。目を丸くしていた。
次に「麻婆ナス」。これナスが油抜きされて実に軽やかな味わい。
日本酒「太平山」の冷に切り替える。
「フィニッシュはここの名物ダルー麺いきましょう」
「太麺でいいわよね」
「それでお願いします」
え! 出てきたのが2丼。
「食べやすいように半分ずつにわけあるから、そんな量はないよ」
ひと安心。ほどよいとろみの餡が太麺に絡んでメチャ旨い。
「もうお腹パンパンだよ」
全てを平らげてお勘定。1人1900円ほど。あれだけ飲んで食って、安いね。
しかし栄楽のご主人の腕は確かだな、感心させられてしまった。
駅前の居酒屋に河岸を変えるが、つまみが全く食べられず酒だけ。
「しかし栄楽の料理は愛情もこもってるね。いい店だよ。ところで次は2ヶ月後だな」
「こんど王子にしましょうよ」
「いいね」
もうへべれけだった。
【住所】東京都板橋区坂下1–29–17 電話03–3960–6280
【営業】11時~21時
【休日】日・祝
【アクセス】都営地下鉄三田線「志村三丁目駅」から徒歩8分