「平塚にしかない、独特なタンメンがあるんですよ」
とボンボン社長。熱海のホテルを出発して平塚を目指すことにした。
平塚には「ラオシャン本店」と「花水ラオシャン本店」の同名の2軒あるようで、その関わり合いは知らない。目指していたのは平塚駅に近い「ラオシャン本店」だ。
「あれ! やってないよ。じゃ花水に行きましょう」
ということで「花水ラオシャン本店」へ向かった。
コの字の大きなカウンターは満席で、表でしばらく待つこと15分。
客の多くが酒を飲んでいる。
「タンメンはワカメタンメンが基本なんですよ」
「へ~、ワカメね」
ということでワカメタンメンと餃子4つをオーダーした。
丼に2種類の白い元ダレを加え、香味野菜がタップリ入った寸胴からスープを注ぐ。
「はいお待ちどうさま」
焼豚もメンマもない極めて潔い絵姿。まるで冷や麦のようだ。具はワカメ、薬味は玉ねぎのみじん切り。
スープは仄かに酸味があり、野菜から抽出された軽い旨味を感じる。
カンスイを使っているのかな? ストレートの細麺はやはり冷や麦に似ている。いつまで経っても麺が伸びないのは加水が低いからだろう。
途中、卓上のラー油をかけて食べると、油分と辛味が増し、スープや麺が引き締まるような味わいに変化する。
餃子はカリっと香ばしい。ほぼ野菜が占めていて、おそらく野菜をミキサーで細かく砕いたのだろう。
故に野菜のペーストを食べているような感じだ。
「これが平塚のタンメンか」
「今度ラオシャン本店も行ってください」
「行ってくるよ」
昨夜の熱海は雨だったけど、本日は晴天。車窓からは大きな富士山がクッキリと浮かび上がっていた。
〈店舗データ〉
【住所】神奈川県平塚市花水台29−4 電話0463-36-0269
【営業】10時30分~22時
【休日】木
【アクセス】JR東海道本線「平塚駅」南口から徒歩20分