この界隈にはインド料理だと「フルバリ」と、数件のカレー専門店しかない。「ニューダイカマ」を発見したのは「丸千葉」という人気の居酒屋に寄る途中、界隈をぶらぶらしていて偶然見つけた店。その日は飲み会だったので、日を改めて突入した。
この辺りはいわゆる山谷と言われるドヤ街だ。僕が二十歳の頃、警備員のバイトをしている時に、社長とこの山谷をクルマで走っていると突然飛び出してきたオヤジがいた。ゆっくり走っていたので、かろうじてぶつかることはなかった、俗に言う「当たり屋」ってやつだった。そんな記憶が蘇る。
店内は結構広くて清潔、初老のご夫婦で切り盛りされている。メニューはカレーとスパゲティ、トッピングメニューもある。
せっかくなのでこの店で一番高価な「カツカレー」を注文した。登場したカレーは高級洋食屋さながらにソースポットにカレーと、かつ乗せライスの別盛りスタイル。卓上には定番の福神漬けとラッキョ。まずはカレーから、ドロっとした粘性の高いカレー、辛味はほとんどなく、特別主張するものはない、ありふれた味わいながら何気なく美味しい。カツはサクっとしてやや薄めの厚さで食べやすく、肉が実に柔らか。これはホッとする味わいで、近くにあったらいいなって思った。食べ終わるとコーヒーが運ばれてくる「あれっ、注文してないんだけど…」、メニューには書いてないけどこれセットなのだ。また来よう、次はミートソースかナポリタンを食べてみようかな。
ちなみにこの店のお隣にある大衆食堂「大釜本店」はご兄弟らしい。こちらはラーメンや焼きそば、定食をやっている。