乃木神社の裏手。カンボジア王国大使館にほど近い住宅街の横丁に、この界隈一番人気の中華料理屋「珉珉」がある。
ここのメニューは何をいただいても間違いなし。店内は左手に厨房とカウンター、右手に表ガラスに面したカウンター、奥が座敷となっている。厨房では若手の職人が鍋を振るい活気に満ちていて、名物女将がフロアーに登場すると常連客に話しかけながら気を配り、その気配がここの料理を一層美味しく感じさせてくれる。
名物は「餃子」、ニラとニンニクタップリの「ドラゴンチャーハン」だ。
そしてもう一つ僕が大好きなのが「ナスカレー丼」。中華屋でカレーのうまい店は限られていて、六本木の「香妃園」、神戸元町の「杏花村」、ちょっと甘めだけど神保町の「新世界菜館」などかな。
このナスカレー丼は下味の付けた鶏のササミとナスをサッと油通ししたあと、カレー粉、清湯、調味料で味付けし片栗でしめたものだ。ナスは滑らかな歯触りで、鶏肉はシットリ、カレーの風味、サッパリとしながら奥深い旨みにレンゲが止まらない。熱々でとにかく美味しくて早食いしちゃうんだけど、間違いなく口の中を火傷してしまう。
この店の常連なら誰もが知っているが、餃子のタレは小皿にお酢を注ぎ、コショウをたっぷりと入れ、醤油は使わないようにと、女将から支持される。餃子は噛み締めると肉汁がほとばしる心地よさ、下味がしっかりついているのでそのままでも美味しいけど、この酢コショウでいただくとまた一層美味しく変貌する。
昼夜問わずいつもサラリーマン、ＯＬでごった返している。棚にはそんな常連の紹興酒がキープされている。夜は友人と連れ立っていろいろなものを食べてみるのもいい。