終戦まもない大阪のある川を舞台に、うどん屋を営む家族と、対岸の川で客を引く屋形船の家族との陰影を描いた、宮本輝の『泥の河』をご存知だろうか?
門前仲町から永代橋の手前、仙台堀川と大横川を結ぶ、名もない運河のたもとに「おはる」というラーメン屋を見かけたとき、『泥の河』の主人公の少年二人が、今にもその「おはる」から飛び出してくるような錯覚に陥ってしまった。そんな佇まいのラーメン屋なのだ。
終戦まもない大阪のある川を舞台に、うどん屋を営む家族と、対岸の川で客を引く屋形船の家族との陰影を描いた、宮本輝の『泥の河』をご存知だろうか?
門前仲町から永代橋の手前、仙台堀川と大横川を結ぶ、名もない運河のたもとに「おはる」というラーメン屋を見かけたとき、『泥の河』の主人公の少年二人が、今にもその「おはる」から飛び出してくるような錯覚に陥ってしまった。そんな佇まいのラーメン屋なのだ。
「小野さん、いつも出前で食べてるカレー屋があって、サラサラで僕の好みなんですよね。この店タイとインドカレーがあるんですけど、行ったことあります?」
と、ある居酒屋の常連で大手町に務める証券マン、通称ゴルゴからの情報だった。
巣鴨駅前の横町にあるとんかつ屋「とん平」は、昼時いつも賑わっている。
フロアーに給仕の女将さんはいるんだけど、なぜか厨房の揚げ場にいるご主人が、入店する客を的確な席に誘導する。
新宿通りの横町の裏通り、古びたビルの地下にあるビストロ。ランチに何回かいただいて、すっかり気に入ってしまい初めて夜に訪れた。
十条駅の南口から線路脇を赤羽方向に歩いていたら突然現れた看板「流。」
「あれ、新しいラーメン屋だな…」
打ち合わせまで30分ほど余裕があったので、店に突入。入って左手にすぐ券売機。
「この焼売、なんか食感が他の店のものと違いますね」
「わかる? これ挽き肉じゃなくて、肉の塊を包丁で叩いてるのよ、それと普通は肉以外の具は玉ねぎなんだけど、それじゃみんな同じ味になちゃうから、うちはネギを使ってるんだよね」
キーボードの調子が悪く、買い換えなければ…。
「小野ちんはメイド行ったことある?」
「メイドってメイドカフェのこと?」
友人のアニオタとの会話。オタクらしくいい年こいて秋葉原のメイドカフェに通っている話から、比較的美味しいランチが食べられる店があるとのこと。
「所詮はメイドカフェだから、小野ちんには納得いかないと思うけど、よくある出来損ないのオムライス出す店よりはナンボかいいよ」
キーボードのサンプルが多い秋葉原の「ヨドバシカメラ」が頭によぎったとき、アニオタのこの話を思い出したのだ。
「本郷通りをクルマで走っているとき、豚汁専門店見つけたんですけど、小野さん知ってます?」
「いや、豚汁専門店なんて初めて聞いたよ」
とある立ち飲み屋の常連、便利屋の兄ちゃんからの情報だった。豚汁というと、クルマで旅行するとき早朝のドライブインで食べるか、とんかつ屋ぐらいしか機会がない。
築地の場内に来るとカレー専門店「中栄」か、洋食屋「豊ちゃん」のどちらかしか行かない。この店、大正8年創業とは恐れ入る。ここに通ってかれこれ20数年になるかな。
続きを読む 築地「豊ちゃん」じんわり旨い「カツカレー」通称「ノッケカレー」。これいま食べられないのよ。実は豊洲移転で8月末に閉店。その後復活したようだけど、経営者が変わって味も変わったとの噂
仕事の打ち合わせで恵比寿駅に舞い降りる。この界隈のランドマークだった「ゼストキャンティーナ」の前を通り過ぎる。あの渋かった錆びたトタンの外装は跡形もなく、マンションに建て替えられようとしている。
「この店よく来たよな…」
巨大なフロアーで、テックスメックス料理を提供する店だった。派手なネ~ちゃんやアンちゃんばかりで、ちょっと疎外感があったけど。
この日はFMラジオの収録があり、ちょい早めに六本木へ。
「なに食おうかな…ああ、そういえば『香妃園』随分ご無沙汰してたな…」
ということで「香妃園」へ向かった。
「この店名、なんか記憶あるな」
「大井町の永楽と同じですよ」
「だよな。しかしこの店構えカッコイイよな」
店内を覗くとえらい賑わっている。ホルモン焼き「水よし」の帰りでけっこう腹一杯だったけど、ボンボン社長と奥さんの3人で突入した。
連日行列で、客の9割以上が注文するのは世界一美味しいと言われている「カツ丼」だ。いっそのこと、カツ丼専門店にしてしまえばいいじゃないかと思うけど、ここはれっきとした中華屋。タンメン、餃子など普通に美味しいのよ。
「キラビヤカで情緒不安定な若人がボクの学生の頃と変わらず今も戯れている渋谷。そんな輩からいつも浮いた存在なのに、渋谷で遊ばなきゃ今どきの学生じゃない、そんな強迫観念囚われていた時期があった。果たしてまばゆいばかりの軽薄な人ごみを逃れて、道玄坂をちょいと上がった右手「百軒店」という、新宿や池袋に似たベタな人間臭のする横丁に逃げ込んでは、幼い傷心を癒していた」
この店を知ったのは、友人「お気に入りのカレー屋さん700」のブロガー、たあぼうこと島津さんの情報からだった。ずいぶん前に1回だけお邪魔して、そのまま。今回、所沢の友人に夕方現地で会う約束があり、
「あっそうだ『negonbo33』行ってみようかな…」
とそんな気分で旅立った。西武池袋線「西所沢」に降り立ち、駅前の地図を眺めると、公共施設でもないのに「negonbo33」が地図に載っていて驚いた。
「熊谷にメッチャ旨いホルモン焼き屋があるんですよ。今度一緒に行きませんか?」
と、ある会社のボンボン社長。
それから数ヶ月後、社長の奥さんと3人で熊谷へ旅立った。18時半北口に降り立つと、いまどき珍しいアコーディオン弾きのオジさん。その姿を横目で見ながら10数分歩くと「水よし」が現れる。
続きを読む 熊谷「水よし」抜群に旨いホルモン焼きにビックリ。とにかくどれも新鮮で、また独特なタレに驚かされた。熊谷の夜は楽しい、ここの住人になりたいと思った。
日本橋にある高島屋の裏道はよくブラブラする界隈。10年ほど前に穴子料理専門店の「玉ゐ」を発見。
「やけに古びた店構えだな…」
その趣のある佇まいに誘われて飛び込んだのが始め。それから半年に1回ほどの割合で通っている店だ。
神田界隈の裏道、袋小路の一角に煮しまったようなボロボロの中華料理屋「白蘭」がある。この店を知って20数年ぐらいかな。1階にテーブル席はあるが、混雑しない限り2階へ通される。階段を上がっていくと、
「坦々麺でいいですか」
とオバちゃんの一声。
「はい。お願いします」
オープンしたての頃、2回ほど店にお邪魔して「チキンカレー」をいだいたけど、ちょっとボヤけた味わいで、なんとかならんもんかな~と思っていた。
※コレずいぶん前に食べた「チキンカレー」
この店に限らず、オープン始めたの頃っていうのは不慣れなこともあり、なかなか味が決まらないことってあるんだよね。
今回、ある店で昼食を終えて帰る途中、「ブラザー」の前を通ったら「期間限定ビーフローガンジョシュ」の張り紙が目に飛び込んできた。
「ローガンジョシュ!? マジか!」
続きを読む 下落合「ブラザー」オープン当初より確実に進化を遂げたインドカレー。なんとムガール料理の代表格「ローガンジョシュ」をメニューに出していてビックリ!
ランチに一度訪れてからご無沙汰していて、今回は夜のメニューにどんなものがあるのかお邪魔することにした。
「あら、来週かと思ってたけど、今日いらしたのね」
と店主、通称カレー子ちゃんが出迎えてくれる。店内はシックにしてモダン、木彫のカウンターテーブルは幅が広くゆったり。また奥に6人が余裕でくつろげるテーブル席もある。
続きを読む 学芸大学「すぱいす暮らし」夜のスパイス料理とラムキーマカレーいただきました。この日偶然にも懐かしい知人に店でバッタリ出くわした。それも2人。
この店を初めて訪れたとき、オヤジさんの言葉がなんだかナマっているので、
「どこ出身なんだろう?」って、ボソっと呟いたら、隣のサラリーマンが、
「この人たちモンゴル出身なのよ」
なるほどって思った。中国や韓国特有のイントネーションとは別物で、顔を見るとまるで日本人だし、どこかの地方の激しいナマリだと勘違いしていた。
久しぶりに訪れると、相変わらずの行列だ。店の前に立っているとチャーシューの香ばしい匂いに食欲がそそられる。
続きを読む 大塚「北大塚ラーメン」モンゴル出身のご夫婦が2人3脚でこしらえる、凄ウマ、病みつきのチャーシュー麺。コレを食わずにゃあの世へ行けない!
「婆ちゃんの見舞いに行ったとき、たまたま見つけた店でさ、ここのカレー美味しかったんだよ」
と友人からの情報。近所の病院に彼の祖母が入院されていて、その帰りに寄った店らしい。普段はこの辺をクルマで走っているんだけど、「日暮里舎人ライナー」を利用したことがなかったので、試しに乗ってみることにした。電車はコンパクトながら5両編成で、社内は非常に可愛らしい作り。年甲斐もなくワクワクして先頭車両の一番前に立って、窓外を眺めていたけど、なんだか妙に楽しかった。
この「餃子家」に出合ったのは、隣の「久松湯」が天然温泉にリニューアルしてからだ。もともとこの風呂屋は町のどこにでもあるありふれた銭湯だったけど、2年ほど前に掘削して温泉を出して新築、その頃から頻繁に通うようになった。露天風呂などがあり心地よく、なおかつ入浴料460円で入れるので重宝している。
「大手町ビル」地下2階には味わいの飲食店が連なっている。寿司、そば、ラーメン、洋食、ハンバーガー、居酒屋、うどん、エスニックと盛り沢山。なかでも小遣い3万円のサラリーマンにありがたいのがスパゲティ専門店の「リトル小岩井」だ。言っとくけど、イタリアンのパスタじゃないよ、日本のスパゲティで、茹で置きした麺を具材と調味料で炒めるものだ。ここを訪れるのは5年ぶりかな。
山形の旅を終えて某ラーメン屋の店主と店長の3人で福島県白河へ。
「ここ来るの何年ぶりかな?」
「オレも久しぶりっスね」
「白河なんて初めてですよ」
「とにかく旨いから、楽しみだな」
美しい田園に囲まれた「とら食堂」に到着すると開店前から相変わらずの行列。
豊島園にあるスーパー銭湯「庭の湯」にたまに来るんだけど、前から「食堂八」が気になって仕方がなかった。「かき氷専門店」のようだが、カレーもランチにやっているらしい。「ユナイテッド・シネマとしまえん」の真横にある店で、この日は開店前に到着、一番乗りだった。
やっと時間ができたので、開店3日目の水曜日「べんてん」に行くことができた。到着時間は11時20分。20人ほどの行列で、どこに並んでいいのか一瞬戸惑った。
要町交差点から要通りを池袋方面に向かい、左手の路地にある「かえる食堂」。カウンター7席なので昼時は早く行かなきゃ座れない人気店だ。
山形県一の繁華街といったら七日町。ここに来るのは何年ぶりだろうか。ホテルにチェックインする前に某ラーメン屋の主人と店長3人で界隈を徘徊し、あるていど目星をつけてきたけど、夜になるとちょっと様変わりする。
本日9月17日、近しい友人だけを集めての「べんてん」プレオープンの日だった。だけど僕は仕事があり参加できず。そこで友人のTV映像などを手がける千先岳、通称、千ちゃんに頼んで写真を撮ってもらった。