新宿3丁目「第21みくに丸」怪しい雑居ビルの中にあるくつろぎの居酒屋。


新宿3丁目は、フリーランス、劇団、映画、出版関係者など、個性の強い輩で賑わう街だ。そんな連中で賑わう居酒屋は「どん底」、「池林坊」、「鼎」、「呑者家」など、媒体にも登場する有名な飲み屋が連なる。

この界隈で最も気に入っている居酒屋は「第21みくに丸」だ。ずいぶん昔から通っている店で、ホルモン焼きの名店「新宿ホルモン」も同居する怪しい雑居ビルの3階にあり、まず初心者は怖くて中に立ち入れないだろう。お世辞にも綺麗な店ではないがカウンター、テーブル多数、無理をすれば 60人ほどの客が収容できるちょいと広めな店内。壁には演劇、映画のポスターが所狭しとデコレートされている。そこになぜか雀宅が置いてある。

「ここは昔、雀荘だったらしくて、記念に1卓だけ残しておいたのよ」


と主人の内田正憲氏。かつては自衛隊のレンジャー部隊にもいた方で、現在アマチュアのラグビーチームに所属しているスポーツマン。短髪で胸板の厚いフレンドリーな人柄なのだ。この奇妙な店名は、主人が知床で漁師をやっていた頃の漁船の船名だそうだが、元々は福岡出身とか、東奔西走の末、この新宿に根を下ろした。

ここはとにかくいい居酒屋だ。飲み始めると、何時間でも過ごせてしまう和み感のある不思議な空気が漂っている。当然、酒の肴も文句なし。お勧めはご覧の「トマトフライ」、「しらすのだし巻き玉子」、「刺身盛り」などなど。

日によって仕入れが変わり、かつての漁師仲間が送ってくれる北海の幸がいただける機会もある。また1人の場合、多くは食べられないが、色々なものをちょっとつまみたい、という客には、「小鉢でちょこちょこセット」 なんていうのもあってありがたい。

客層も前述の通り。主に劇団、映画関係の輩が多く、予算のない小劇団に、昼間稽古場として店を提供してあげたこともあるそうだ。心の広いご主人だね。

〈店舗データ〉

住所東京都新宿区新宿3-12-3第藤原ビル3F 電話03-3350-6078

営業17時~お客様と店主の元気が続くまで

【休日】なし
【アクセス】地下鉄丸の内線「新宿三丁目駅」から徒歩2分

 


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