この店4、5年前だったか、今は亡きラーメンの名店「べんてん」のそばに突如現れた。
当然入るっきゃない。「1/fのゆらぎ」なんて文学的香りのする店名。これは焚き火やロウソクの不定期な炎の揺れ、小川のせせらぐ音などの、周波数に反比例するゆらぎのことで、人間がもっとも落ち着く不規則な自然の波だ。こんなデリケートな店名ならば、よほどセンシティブなカレーがでてくるのだろうと想像していたら、まったく正反対だった。
※コロッケをトッピングしました。
楕円の深皿にライスを覆いつくすひき肉入りのカレー、「この形状どっかで見たな…」
そして一口いただくと「ありゃ、これ神保町の『まんてん』だよな?」
思わず、
「神保町の『まんてん』ご存知ですか?」
「えっ! よくわかりますね、僕そこで働いていたんです」
なんだか主人の顔見覚えあると思いましたよ。
カレーは当然「まんてん」とほぼ同様。これが不味いわけがない。でも当時ちょっと塩辛かったんだよね。何回か通ううちにマイルドに変化して、いまでは「まんてん」より上品な味わいのカレーになっている。名物か「ホワイトカレー」なんだけど、どうも食べる気分が湧かず、いつも同じものを注文してしまうのだ。今度絶対に挑戦しょう。