終戦まもない大阪のある川を舞台に、うどん屋を営む家族と、対岸の川で客を引く屋形船の家族との陰影を描いた、宮本輝の『泥の河』をご存知だろうか?
門前仲町から永代橋の手前、仙台堀川と大横川を結ぶ、名もない運河のたもとに「おはる」というラーメン屋を見かけたとき、『泥の河』の主人公の少年二人が、今にもその「おはる」から飛び出してくるような錯覚に陥ってしまった。そんな佇まいのラーメン屋なのだ。
創業から40年ほど、先代の頑固なご主人は現在81歳とか、1年前に引退し、2代目を息子さんが引き継いだ。
1年ほどしか経験がないのに、麺上げするザルの手さばきは見事。
「この店やる前に長いこと中華料理屋のコックやってたんですよ」
なるほどね。
お勧めはなんといっても「五目そば」(楊州麺)900円だ。色とりどりな具が食欲をそそる。極太メンマほどよい味付けで柔らか、焼豚はしっかりと下味が入り美味。スープはゲンコツのみでサッパリとしながら旨味充実、ストレートのやや細麺がいい具合に絡んで、実に美味しい。
また「わんたん麺」700円は極めてサッパリとした醤油味。ほんのわずかな具の雲呑は潔い。
先代の頃は、客は食べ終えた丼を表にある流し台に置き、お勘定するのが流儀だったが、二代目は優しい人柄なのでこのシステムはなくなった。
店内はカウンター5席、4人席のテーブル1卓。オープンエア風情のテーブル1卓、表の長椅子でも食べられる変わった作りだ。今にも朽ち果てそうな店の佇まい、この雰囲気がラーメンをさらに美味しく感じさせてくれる。
〈店舗データ〉
【住所】東京都江東区永代1–11–11 電話03–3641–4609
【営業】11時30分~14時30分
【休日】日曜日
【アクセス】地下鉄東西線・大江戸線「門前仲町駅」4番出口から徒歩7分
こんばんは!
ラーメンも気になるのですが
変なこと聞いてもよろしいですか?
物撮りする時って一人でやるんですか?無理ですよね?
自分がお箸で持ってるところを誰かに撮ってもらうのですか?
小野さんに限らず、他の人もどうしているのか気になって
すみませんm(__)m変なこと聞いて
店の人に頼むことも稀にありますが、基本は一人で持ち上げて撮っています。これ技術がいります。