野方「秋元屋」オープンエアで賑わう焼きとんの名店。


「春風が気持ちいいから、オープンエアな店ないかな、扉がオープンな感じ、小野どこかあるかな?」

先輩からの飲みの誘いだった。春風を感じるような居酒屋、う~ん難しいな。赤羽の「米山」、高田馬場「みつぼ」、新宿「思い出横丁」あたりの飲み屋。いや春風って感じじゃないな。

「決まりました、野方の『秋元屋』にしましょう」

「了解」

野方駅で待ち合わせして、横丁を入ると行列が出来ていた。

「こんな感じですか」

「おお、いいねいいね。この雰囲気」

春風っていうよりは煙なんだけど、扉が開け放たれている風情が気に入ったようで、始終ニコニコの先輩。20分ほどでカウンターに通される、回転が早い店はいいね。

「小野、春風を感じるよ、この煙のモウモウとした雰囲気もいいな」

先輩はホッピー、ボクは生ビール、カンパイ!

「しかしこの店、活気があって華があるな」

「いいでしょう」

「片っ端からぜんぶ頼もうぜ」

「了解です」

ここ秋元屋は焼きとんの名店。ビックリするほどではないが、どれもそつなく美味しいのだ。この店から巣立った居酒屋が各地に点在し、沼袋「たつや」、上板橋の「ひなた」、高田馬場「高田屋」、「浦野屋てるてる」、御徒町「まーちゅん」、板橋「赤尾」など、どこも常に賑わっている。

「焼き物は時間かかりますけどよろしいですか」

「大丈夫ですよ」

と焼き場のお兄さん、汗だくで格闘している風情がまた酒のつまみになる。カウンターで良かったな。

まずは「煮込み」、そして「ニラのおひたし」、「青のり」で場をつなぐ。

2人バイスサワーに切り替えてちびちび。いよいよ焼き物の登場。なにを頼んだか覚えてないけど、たしか「レバー」、「たん」、「しろころ」、「しろ」、「おくら」、「月見つくね」「しょうが肉巻き」、「にんにく」などだったような。

「どれも旨いな、しかし小野もいろんな店知ってるな」

「まあ、この店はずいぶん昔から来てますね」

2人したたかに酔っぱらった。先輩のおごりなので会計がいくらだったかおぼえてないけど、

「ここメチャメチャ安いな、今度かみさんと子供連れてくるわ」

先輩すっかり喜んでくれて何より、春風を感じてくれたのかな。

〈店舗データ〉

【住所】東京都中野区野方5-28-3 電話03-3338-6236

【営業】火~金17時~24時 土・祝16時~24時 日16時~23時

【休日】月(月曜が祝日の場合は営業、翌日火曜日休)

【アクセス】西武新宿線「野方駅」南口から徒歩1


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