「荻窪の焼き鳥屋で出るラーメンがメチャメチャ旨いってウワサなんたけど、知ってるか?」
「いや、初めて聞いたよ。面白そうだな」
半年ほど前のこと。ふと思い出し友人と訪れた。
店内は民芸調のよくある居酒屋の佇まい。カウンターに腰掛け、ビールで乾杯。
「とりあえず焼き鳥屋だからそれらしいつまみ頼むか」
ということで、キャベツ、レバー、つくね、正肉などを注文。
タレの塩梅良く、各種鳥も程よい歯ざわりでとても美味。どうやら鳥取の大山どりを使用しているようだ。
「食べ過ぎるとラーメン食えなくなるからこのぐらいにしょう」
「ですね」
居酒屋タイムを軽く満喫し、
「かけラーメンの並下さい」
ご覧のものがそれ。具はネギ、海苔、ナルト、レモンの薄切り。スープを一口。
「旨いぜ」
「ホントだ」
微乳化したようなやや白濁したスープは旨みが凝縮され、鰹だろうか、魚介の乾物も仄かに香る。麺は平打の中太縮れ麺はやや茹で過ぎ感じもするが、これはこれでいい。
「このラーメン旨いっスね」
「ありがとうございます。うちの主人がラーメン大好きで随分気合入れてまして」
とのことだ。
帰り際に、
「美味しかったです」
「これこの界隈のラーメン屋より旨いんじゃないですか」
とご主人に告げるとニコっと笑っていたのが印象的。いやこのラーメンは居酒屋の片手間に作ったラーメンじゃない。よくできている。
それと、食べなかったけど唐揚げも評判のようで、なんと100%の鶏脂で揚げているそうだ。今度食べてみなきゃ。
〈店舗データ〉
【住所】東京都杉並区荻窪5–23–8 電話03–3392–2696
【営業】17時30分~23時
【休日】月
【アクセス】JR中央線・地下鉄丸ノ内線「荻窪駅」南口から徒歩2分