渋谷センター街を抜けて、宇田川町の細い裏通りに佇む「秀」。この店、誰に教えてもらったのか定かじゃない、ひょっとしたら通りがかりにふらっと入ったような記憶。とにかくいい小料理屋なんだな。
店内は左手にカウンター6席ほど、小上がり4人席2卓。穏やかなご夫婦が切り盛りしている。界隈で密かな人気店で、予約したほうが無難だろう。
この日は友人の全快祝いということで、一年ぶりに訪れた。
旬の魚をメインに割烹の技が光る気の利いた肴が盛りだくさん。
まずはビールで乾杯。
お造りは「白いか、〆サバ、つぶ貝」新鮮で実に旨い。途中、新潟柴田「菊水酒造」の「菊水の辛口」をいただく。
そして「玉子焼き」穏やかな甘さでしっとりとした食感。
「車海老と野菜天」、「ぬか漬」、「串焼きの盛り合わせ」など、実に楽しいひと時を過ごす。ご主人はちょいと体調を崩されて暫く休業していたようだ。
「酒の飲み過ぎだね」
とおっしゃっていた。
店内はすでに満席で、客が次から次へと訪ねてくるので、そろそろおいとま。お勘定を済ませた。若造の街、喧騒の渋谷にあって穏やかな時間が過ごせる数少ない居酒屋だろう。