浅草「むつみ」釜飯の名店


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釜飯にはあまり興味がなかった。その理由は、あの混ぜご飯のような中途半端なたたずまい、確固とした主張をしない具の姿、おかずもなくただメシをほおばるという作業。下手な店に入れば、スーパーで売っている着色したような汁漬けの山菜が散りばめられていたり、塩ジャケが入っていたりと、釜飯の悲しい思い出を語ったらキリがない。そもそも、いい店に出合ってなかったということなのだ。

浅草寺の裏手、言問通りの横丁にある「釜めし むつみ」に巡り合ってそんな思いも払拭された。 客層は観光客、地元の家族連れ、商売人、隠居衆 、有閑マダム、初老のカップルでいつも賑っている。

お勧めは「たこ釜めし」、これがうまいんだな。

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タコはその日あがった新鮮なものを使用し、 注文してからの待ち時間は20分ほど。釜飯の蓋をはずせば、湯気とともにタコの香りが鼻先をかすめ、ほんのり桜に色づいたご飯が姿を現す。タコの身というよりは吸盤が具の主役で、一口ほおばれば、タコのうまみが十二分に染み込んだご飯、柔らかにしてコリコリとした歯触りを留めた吸盤が実に心地よいのだ。

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また小柱の釜めしも秀逸で、数人で訪れたらこれも是非試してもらいたい。炊き上がった飯の上に生の小柱が山盛り、これを熱々のご飯と一緒にかき混ぜると、いい具合に小柱に火が通り、ウットリとさせられるおいしさに変貌する(材料希少につき登場は月1回程度、要問い合わせ)。

季節メニューとして「かき釜めし」(10~3月)、「鮭の親子釜めし」(10~2月)なども楽しめるぞ。


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