この系列店はボクの知っている限りでは、この梅島、三ノ輪の龍泉、向島、本郷、四谷を入れて5店舗だと思う。いつもは龍泉の「角萬」ばかりだけど、梅田を訪れるのは初めて。この辺は版元にいた頃、返品倉庫があつた場所で、よく棚卸に来ていたので土地勘があったけど、たどり着くまでちょい時間がかかった。
店内はすでに満席。連れと2人、5分ほどで中に通され、座敷の6人テーブルに相席となる。
「えーと、冷肉とカレー南蛮、エビ天お願いします」客層は家族連れ、カップル、ご隠居といった感じで、その誰もがこの冷肉(冷やし肉南蛮)をオーダーする名物蕎麦だ。
「うちはアゲオチね」
「キツネオチください」
周りの客の聞きなれないフレーズ。
「…アゲオチ…キツネオチ? なんだそれ…?」
連れと2人首を傾げる。こっそり隣の客にたずねると。
「油揚げのことですよ」
どうやら味付けされたキツネを、蕎麦にトッピングするようにオーダーしているのだ。ほ~お、なるほど。
10分ほどで待望の「冷肉」1000円と「カレー南蛮」1000円、「エビ天」450円がテーブルに並ぶ。相変わらずのラーメン二郎をホウフツとさせる力強い絵姿。
蕎麦にはまるで見えない極太麺、持ち上げると不揃いな形状。
「これ三ノ輪の角萬より太く見えるな」
頬張ると力強い歯ごたえ、汁が塩辛く甘めで、非常に濃口のツユ。
「味濃いな~」
カレー南蛮はこれもまたカレー餡が塩辛くまた甘め。
「蕎麦湯もらおうか」
「そうだな、これ蕎麦湯で割らないと味が濃すぎるな」
蕎麦湯で割ると味が和らいで一安心。
エビ天は巨大で、また衣がビシっとカリカリ、蕎麦ツユにしばらく浸してかぶりつく。
「う~ん、旨いね」
三ノ輪の「角萬」はもう少しマイルドな仕上がりだけど、ここ梅島は何もかもが主張する。この歯ごたえの極太蕎麦、濃口のツユ、何もかもが面食らうけど、病みつきにさせられる味わいが潜んでいる。
営業はたった3時間と、それも麺が売り切れ次第終了となる人気ぶりなんだよね。
〈店舗データ〉
【住所】東京都足立区梅田4-30-5 電話03-3840-4931
【営業】10時30分〜13時30分
【休日】不定休
【アクセス】東武伊勢崎線「梅島駅」から徒歩16分