日本橋三越前「大もり」老舗居酒屋の苦み走った自家製辛口カレー


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打ち合わせを終えて、鰹節屋「にんべん」で買い物を終えた昼飯時。どこか旨いランチはないかと、辺りを徘徊していたら「辛口和風カレーライス700円」という看板が目に飛び込んできた。店の前に佇んでいたら、次から次へと客が中に吸い込まれていく。こりゃ入るっきゃない。

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一見、何の変哲もない、どこにでもある巷の居酒屋。半地下の暖簾をくぐったら満員の人気振り。

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カレーはやや褐色のトロトロソース、じゃがいも、ホロホロとほぐれる鶏肉がタップリ、添え物は山菜に紅ショウガ。一口いただくと、深い旨味と鋭い辛さ、そしてワイルドな苦味が、なんともたまらない美味しさなのだ。鋭利な辛さと独特なビター感は病み付きにさせられる。

「生卵下さい」

そして卵をほぐしていただけば、少々マイルドになりこれも美味。

このカレーは、先代が昭和31年に定食屋を始めた頃から引き継がれてきたそうだ。この独特なビター感は、ラードと小麦粉、カレー粉を長めに焙煎したもの。隠し味に青唐辛子の醤油漬けが加えられていて、鋭利な辛味はそのせいかもしれない。

「この苦みがダメっていうお客さんもいて、これは好みだから…」

と女将さん。市販のカレールーを使わない、正真正銘の自家製カレーライスっていまどき滅多に出合えない。ご夫婦と娘さんの3人で切り盛りするアットホームな雰囲気は、近隣のサラリーマン、転勤で移動した人や、定年後ふらっと立ち寄る常連で賑わう、真っ当な居酒屋だ。


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