神田「葡萄舎」洋風居酒屋の癒されるインドカレー


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東南アジアを中心に長い放浪生活を送ってきた主人。口髭を蓄え、長髪を後ろに結んだ風貌は、ボヘミアンだった頃の面影を漂わせている。

この店に出合ったのはおよそ15年前。僕の師匠である御徒町にあったインド料理の名店「モーティマハール」の主人に紹介されたのがきっかけだった。「葡萄舎」は当時、ランチはやってなく、酒の肴のメニューとしてカレーがあり、その美味しさには定評があった。

客層は近隣のサラリーマン、OLはもちろんのこと、主人と同じ匂いを共有する自由人がそのカリスマ性に惹かれて訪れ、連夜賑わっている。

主人は南インドを放浪中、マラリアで体調を壊し、そのとき彼を救ったのがミールス料理(主にベジタリアンのカレー料理)のサンバル(汁カレー)だったとか。それ以来ベジタブルカレーにこだわりを持ちようになったそうだ。

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動物性のカレーももちろん提供するが、巷のインド料理屋でもお目にかかれない、風変わりな野菜カレーが楽しめる店なのだ。メニューにある「ダブルカレー」は、好みのカレーを2品チョイスできるもので、チキンとキャベツカレーだったりするが、日によってカレーが様変わりするので、その日のお勧めのメニューを聞いたほうがいいだろう。常時おいてあるチキンカレーの味わいは、日本のインド料理屋で目にするムガール料理の濃厚なものとは異なり、インドの庶民が口にする、サッパリとした風味で、若干は塩気が足りないと感じる人もいるかもしれない。

様々な国で、目と舌と胃袋で体験してきた主人の生き様が奏でる味わいとでも言おうか、とにかくどのメニューも、胃袋が癒されるカレーだ。


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