新宿「花園神社」三の酉の夜。


年末の風物詩、酉の市。熊手を購入するワケでもなくお参りすることもなく、ただこの喧噪が好きなんだな。

「花園神社」へ繋がる靖国通りの歩道を進むと、屋台が現れ大混雑。牛歩のようにゆっくりとしか歩けない、ちょいイライラするけど、これも風情だ。最近、的屋を締め出す傾向があるけど、愚の骨頂。素人の屋台、または料理人の本格的な屋台料理なんてまったく面白くない。的屋のダボシャツ姿、どこかボヘミアンでアウトローな風情のお兄さん、やけに色っぽい派手目な化粧のお姉さん、きちっとした社会生活に馴染めない人々はそれなりに味がある。屋台料理は特別美味しいものじゃないけど、やはり餅は餅屋で、ジャンクだけど的屋の屋台はそんなトータルの風情で祭りを盛り上げてくれるのだ。

参道に入っても屋台がビッシリ。途中リンゴ飴を購入し、カバンに収める。しばらくすると熊手を購入した客へ商売繁盛を願って拍子木を打つ響き、その姿に異国人が立ち止まり写真をパチリ。しかし最近どこへ行っても異国人の多さにビックリさせられる。

目的の店「櫻茶屋」に到着。店内は満席で中に入れない、焼き場前のカウンターが空いたのでそこに腰かける。

「生と熱燗下さい」

「はいよ~」

目の前にビッシリと積み上げられた焼き鳥や海鮮。連れと乾杯、あ~この雰囲気いいな~。

まずはモモ、皮、つくね、ボンジリなどを塩でいただく。

そしてトマト、しし唐、ミョウガ。このミョウガ、バツグンに旨い。

さらにサザエのつぼ焼き。店は入れ代わり立ち代わり、客が絶え間ない。カウンターのオヤジさんが面白い人で客あしらいが上手いね。異国人が物珍しそうに屋台を覗き込み、なにやら英語、フランス語、中国語が飛び交っている。これが日本の屋台だよ! 毎年来ているこの「櫻茶屋」来年もまた来よう。一通り飲み食いしても表参道を抜けて明治通りから歌舞伎町の裏通りを抜ける。

「北海道居酒屋の『道産子』に行こうよ」

「そうだね」

新宿西口「思い出横丁」(通称しょんべん横丁)入口に地下にある「道産子」はよく来る店だ。カウンターは満席で、テーブル席に腰かける。

日本酒と「枝豆の一夜漬け」、「ウニ」、厚岸の「生ガキ」をいただきながらゆっくりと過ごす。途中60半ばのオヤジさんと若い娘のカップルと相席。オヤジさんが話しかけてきて盛り上がる。自分たちで栽培したレモンを取り出して、1つ分けてくれた。

「形がばらばらで、面白いでしょう」

「ホントだ。写真撮ってSNSに載せてもいいですか?」

「どうぞ」

楽しい三の酉の夜だった。


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