小平「味」奇妙な店名、楽しい女将さん、おいしい餃子、実にアットホームで心和む店。


塩バターラーメンとでっかい餃子が恋しくて、小平の「天神」へ向かったが本日は臨時休業。

「まいったな~。武蔵野うどんの根古坂にするかな。いゃ、今日はやっぱラーメンと餃子なんだよな~」

仕方なく小平駅前をウロチョロ。駅周辺には正直言ってなにもない。「小平霊園」側の北口は、石材屋と法事などで利用される日本料理屋がちらほらあるだけ。と駅前に奇妙な看板を発見した。

「えっ、牛丼、カツ丼? 中華、水餃子、ラーメンって、これいったい何屋さんなの?」

「丸徳」って店名なのかな。腹は減ってるし、このまま東京に帰るのもしゃくだし、勇気を振り絞って突入した。

「いらっしゃい」

と中国人訛りのイントネーション、彫りの深い顔立ちのお姉さん。カウンター5席に3人座れるテーブルが1卓。先客が2人いた。メニューがさっぱりわからない。

「表にランチ書いてありますよ」

表にメニューがあった。麻婆豆腐丼、青椒肉絲丼、北京風ラーメン、ジャジャ麺、水、焼き餃子、とある。

「えーと、北京風ラーメンと焼き餃子下さい」

「はい」

傍らに『スポーツニッポン』、よく見るとこの店が紹介されている。『孤独のグルメ』の原作者、久住昌之さんの記事だった。

「今日発売の新聞に載ってたの、驚いたよ、知らない間にこっそり撮られてたよ、嬉しいよ」

と女将さんニコニコ。そうか久住さんに先にやられてしまった、しかし先輩もいろんなところを徘徊しているもんだな。

麺は茹で上げると丼にしばらく放置。「大丈夫かな

「甘味噌、辛味噌、お好みで」

「じゃ辛味噌で」

なんだろう辛味噌って。

そんで登場したのが「北京風ラーメン」650円。具は彩のパプリカ、ニラ、キャベツ、鶏肉。その上に辛味噌と綺麗なデコレーション。スープは薄味の塩。

辛味噌を一口、美味しいね。これ沙茶醤(サーチージャン)と豆鼓(トーチージャン)を合わせたような味。豚肉に絡まってちょい辛口で旨味が深い。

やっぱちょい麺が柔らか過ぎかな。

「コンロが2つしかないから大変よ。はい餃子、これ一度蒸してから焼いてるの」

カリッと中身はシットリ、旨味充実。

「美味しいですね」

「横に添えてあるのは青森のニンニク、中国のニンニクは美味しくないよ。いろんな店行って研究したの、皮美味しいでしょう」

確かにいい食感だ。

「お父さんが亡くなったのよ。頑張んなきゃって思ってね。子供2人大学生だし」

「それは大変だ」

「32年前に北京から日本に来て、東京モード学園に入学したの」

結婚する前は、服飾デザインやモデルの仕事もこなしていたようだ。

「これがその頃の写真よ」

う~ん、なかなかお美しい。

「ところで店名ってなんて言うんですか?」

「味、味よ」

「味? う~ん味ね」

店名が味って、そうなのか

「今年の1月に開店したばかりだから、まだ慣れなくてもよろしくね」

なんとも心温まるアットホームな雰囲気、実にいいね。

すっかり和んだところでお勘定をする。

「ありがとうございます。初めてのお客さんだから、少しおまけするよ」

950円のところを900円にしてくれた。ここ大事にしたい店だな。

〈店舗データ〉

【住所】東京都小平市美園町232 電話0422078123

【営業】11時~14時 17時30分~11時30分

【休日】水

【アクセス】西武新宿線「小平駅」北口から徒歩1分


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