大井町に用があるとしたら、トンカツの「丸八」、ラーメン屋だと「永楽」、「吉兆」、「丸八そば店」、洋食屋だと「ブルドック」、閉店したけど「ミカサ」かな。居酒屋も何軒か行ったけど印象に残る店はなかった。
そんな中、ず~っと気になっていた店がある。店の前まで来るんだけど、いつも思いとどまっていた。
そしてある日、意を決して「牛八」に入店した。ここはかつて「牛友」という牛丼とカレーを提供していたチェーン店の生き残りで、ボクがよく訪れていたのは中野南口、駅前ビルの3階だったかな、20代の頃よく通っていた。方々の友人の情報だと、練馬富士見台、川崎の溝の口、元住吉、目黒学芸大学にあったそうだ。どこか「カレーのボルツ」にも似ていて、このチェーン店も方々にあったけど、いまは神田錦町と千葉の習志野の2軒飲だけになってしまった。
店内は立ち食いスタイル。ご主人1人で切り盛りされている。
「え~と牛丼カレーの中で生卵、辛口にしてください」
「は~い」
ものの数十秒で登場。この相盛りのジャンクな絵姿、懐かしいな~30数年ぶりだ。
また量が半端じゃない、小盛りで良かったような…。
まずはカレーを一口。
「ああ、この味だ」
突出したものはないけど、トロミほどよく旨味が適度、辛味もいい。いつ食べても飽きのこない美味しさだ。
牛丼は極めて薄いバラ肉、ほどよい塩加減で、適度な甘味、恐らく「吉野家」の次に旨いと思う。そしてカレーと牛丼を一緒に頬張るとまた旨いね~。付け合せの紅ショウガの塩気と酸味がピッタリ。
生卵を溶きほぐしていただくと、さらに味わい深い。メチャメチャお腹いっぱいになった。
「美味しかったです」
「ありがとうね。お水大丈夫かな」
「大丈夫です。この店何年やってるんですか?」
「古いよ~、53年になるかな」
カウンターに牛八の名刺があったのでもらって帰った。ご主人の名前が劉玉鈞さん、中国の人なのか。でもまったく訛りがなかったな。しかし劉さんお幾つだがわからないけど、若いな。次はスタミナカレーだな。
〈店舗データ〉
【住所】東京都品川区大井1–2–20 電話03–3776–5994
【営業】11時~翌1時
【休日】休 第1・3日曜
【アクセス】JR京浜東北線ほか「大井町駅」西口から徒歩1分